「ドイツの病院食はひどい」
というのは、在独日本人からよく聞く話。
私も覚悟していました。
が、実際に入院して病院食を食べてみた感想。
「悪くない。むしろ、結構良い」
でした。
量は確かに少なかったです。でも、味は悪くは無かったです。
以前勤めていた会社の食堂で提供される食事が塩多めで、いつも食後に喉が渇いていたのですが、そんなことはなく、薄味過ぎでもなく、ちょうど良かったです。
日本だと3食料理された温かいご飯が出てくることも珍しくないと思いますが、ドイツでは一般的ではありません。
ドイツでは、1日2食は火を使わない冷たい食事kaltes Essen(カルテスエッセン)で1食だけ火を使った温かい食事warmes Essen(ヴァーメスエッセン)を食べることが多いです。
例えば朝ご飯にシリアル、昼ご飯にパスタのような温かい物を食べたとしたら、夜ご飯はパンみたいな感じです。
ただもちろん家庭や人によって違うので、必ずこうだという訳ではなく、二食、三食温かい食事を取る場合もあります。
そういう食文化の違いがあるので、ドイツの病院食も朝晩2食は冷たい食事で、昼1食のみ温かい食事が提供されました。
食事は前日に担当の人(病院に食事を提供している会社の人)が希望を聞きにきてくれ、週末前は土日の分をまとめて聞かれました。
市内の別の病院で出産経験のある同室者は、前の病院は希望を紙に書いて出したと言っていたので、希望の聞き方は病院によって違うようです。
私は妊娠糖尿病持ちで、極力糖質を食べない食生活をしていたので、糖質だらけの病院食には戸惑いました。が、これを拒むと他に食べるものがありません。食べる物がないなら仕方がありません。もはや最後の数日間で胎児が激太りすることもないだろうと腹を括り病院食を食べました。せめてもの抵抗として、パンは小麦ではなく全粒粉のパンを、ヨーグルトは無糖の物を選んではいました。そして、数値を見ると気になってしまうので、入院してからは血糖値を測定しませんでした。知らぬが仏戦法です。
お腹が空き過ぎて、出産後に少しトラブルに見舞われたものの、
かねてから聞いていたドイツの病院食の悪評は、意外にもいい意味で裏切られました。