文字通りの“バズーカ砲”で、ウイルスを焼き殺す作戦ではありません。
新型コロナウイルスの影響による経済危機に対してドイツが取る、
莫大な経済政策のことです。
アルトマイヤー経済相が、
「政府がバズーカ砲を持ち出すのは正しいことだ」
「ドイツ企業を買いたたこうと狙うヘッジファンドなどに対して、
政府はこうした状況下では国内企業を支援する覚悟があることを明確にしたい」
と発言したそうです。
格好良い ィ...(゚Д゚ノ)ノ
最初聞いた時は、
バズーカ砲なんて物騒な言葉に、言葉のセンスを疑いましたが、
このドイツ政府の覚悟の潔さに惚れました。
メディアでしきりに、
ドイツは史上例を見ない額の経済支援をする、
と言っているのを見聞きしてはいましたが、
それがどれほど凄いことなのか、分かっていませんでした。
経済にも、数字にも弱い私ですが、
ドイツ政府の覚悟の凄さがどれほど凄いのか、
ざっくりとした理解を試みました。
3月23日、ドイツ政府は
感染拡大による経済的影響を和らげるために、
総額7,500億ユーロの支援策を閣議決定しました。
7500億ユーロ。約90兆円(1 EUR =120円)
数字が大きすぎて、凄さが分かりません。
自分にも分かるように、とりあえず国家予算と比較しました。
ドイツの2020年の国家予算 3620億ユーロ。約43,4兆円。
国家予算の約2倍。
これだけで分かります。
どれだけドイツ政府が本気か。
ちなみに、7500億ユーロの内訳は、
- 1500億ユーロ(借り入れ):個人事業主への補助、生活保護の拡大、病院の支援など
- 6000億ユーロ(追加予算):経済基金設立
経済基金の内訳は、
- 4000億ユーロ:影響を受けた企業を対象にした保証
- 1000億ユーロ:政府保証融資の提供
- 1000億ユーロ:国営機関のドイツ復興金融公庫(KfW)への拠出
(ー> 打撃を受ける企業への融資に)
中堅、中小企業が国の屋台骨になっている国だけあって、
コロナ危機で打撃を受けた企業を守ろうという姿勢が、
お金の使い道から見て取れます。
こうして、ドイツ政府の凄さをざっくり知って、
ふと、
この間運転中に耳に入った、ラジオの話を思い出しました。
司会者が、
「ドイツはケチだ。ケチだ。ケチで貯め込みすぎだ、
ってよく周りの国から言われますし、
ドイツ人はケチって言うのがドイツ人に対する一般的なイメージですよね。
でも、貯めたお金はこういう時に、一気に使うんですよねー。はっはっはー」
って、笑っていました。
その時は、話の流れを掴んでいなかったので、
”何のことだ?何でドイツ人はケチの話が出てきているんだ?”
って感じで、よく分かっていませんでした。
意味が分かりました。
これのことでした。
あれは、勝者の笑いでした。
ドイツ、凄い。
今回のコロナ危機によって、ドイツは2013年以降初めて財政赤字になるそうです。
いうなら、2013年からほぼ税収だけで7年間無借金で国を運営してきたということ。
超健全。
自分への理解のために、一応日本の国家予算とも比較してみましたが、
日本の国家財政、悲しい状態でした。
はたから見る限り、日本政府のコロナ対応は中途半端に見えるし。
ドイツほどの大胆な経済政策は、
借金だらけで自転車操業的に国の財政を回している日本には取れないでしょうし。
コロナ危機でのドイツ政府の対応を見るほど、
日本政府がやわに見えて仕方がないですが、何とか切り抜けて欲しいです。
Data source:
3月23日の閣議決定
ドイツの国家予算
https://www.bundeshaushalt.de/#
日本の国家予算
https://www.nta.go.jp/taxes/kids/hatten/page03.htm