ドイツからこんにちは。

ドイツの日常で見たこと、聞いたこと、思ったことを気ままに

ドイツのイメージ −工業国−

ドイツと聞いて、

ビール、ソーセージ、オクトーバーフェスト、工業国

といったことが、イメージとしてまず頭に浮かんでくるかと思います。

 

ドイツ人の国民性のイメージとしては、

勤勉、時間厳守、議論好き、職人気質、

とか。

 

「工業国、勤勉、時間厳守」っていう所からか、

なんとなく日本と似たような国なのかな、と捉えがちです。

少なくとも私はそう思っていました。

ドイツに住むまでは。

 

旅行と住むのとでは違うというのはよく言われることですが、

まさに、「工業国ドイツ」のイメージは、住んでみて変わりました。

ある意味驚きました、不備の多さに。

 

日本人的な驚きポイント1

電気関係の故障が多い

エスカレータ、エレベータ、バスや電車の電光表示板、電車のドア、券売機などが故障で使えないということはしょっちゅうです。

空港や駅のエスカレータはよく壊れているので、

重たいスーツケースを、よっこら階段で持ち上げなければならないというのはありふれた光景です。

バリアフリー対応を謳っていても、安心はできません。

その設備が故障しておらず、いつも動くとは謳っていないので。

同じ様に、カード対応と謳っていても、

カードリーダーの故障でカード払いができず、結局現金が必要になることもあります。

場所によって、バス停に電光表示板があり、バスの中にも表示板があるので、基本的にドイツのバスは利用しやすいです。

ですが、いつもその表示板が機能しているとは限らないので、

見知らぬ土地でそういう状況に遭遇すると、途端に緊張します。

バスが来るかどうかのハラハラはともかく、降りる場所が分からないというハラハラ。

運転手さんによっては車内放送してくれますが、してくれないこともあるので、

その時は、STOPボタンを押すタイミングを逃さぬよう、

携帯を握りしめ、Google Mapと睨みあうことになります。

 

この故障。

日本と何が大きく違うって、

頻繁に発生すること以上に、修理に時間がかかる。

もしくは修理されずに放置されること。

 

日本の場合、故障が発生したら、直ぐに修理されて、

一般の利用者の目にはほとんど触れないか、

触れたとしても気にならないレベルになっていると思います。

その対応の早さは、

利用者から苦情がくるから、というだけでなく、

故障している状態を曝け出しているのが恥ずかしいから、

という思いからも来ていると思います。

ビバ、日本の完璧主義。

 

しかし、ここはドイツ。

日本とは違います。

なので、故障中のエスカレータは、壊れたまま。

まれに修理されて再び動くようになったとしても、また直ぐに壊れて、

その後放置されたりします。

 

そして、これも日本と大きく違うのが、

これに対する、利用者の反応

上述した様な故障には慣れているので、特に驚きも怒りもしません。

動かないものは動かない、という現実に基づいて行動します。

エレベータが動かないなら、階段を。

重いスーツケースに苦労している人がいれば、手助けを。

カードが使えないなら、現金を。

券売機が使えないなら、無賃を。

。。とはならず、別の券売機を探すか、アプリで買うか、窓口か、諦めるか、

ですね。

 

こういう故障が日常の世界に慣れてから、

改めて他の国を見てみると、

ドイツ同様、故障が多い。そして故障が放置されている。

 

一昨年、2018年にアゼルバイジャンに行った時、

「この望遠鏡は旧ソ連時代に作られてね。

直ぐに壊れたんだけど、それ以来壊れたままでね。

動いているのを見たことがない。ハハハ。」

って、ガイドさんが笑って話しをしてくれたことがありました。

この時改めて思いました。

ドイツ人だけじゃなく、ヨーロッパ人、もしかしたら日本人以外は皆んな、

故障に対して寛容なんだ、

と。

 

そうして学びました。

確かにドイツは、他の国に比べると工業的に発展している。

だから、工業国なんだ。

でも、だからと言って、

「故障も無く、滞りなく、設備が運用されている」

とは限らないのだ。

日本にいる時は、工業的な発展と完璧な運用がセットになっている所が工業国、

と思っていたが、そうではないのだ、と。

 

ドイツに移り住んで初めの頃は、こうした故障の多さに戸惑ったし、

不便だと思ったこともありました。

ですが、慣れると、このゆるさが楽に思えてきます。

逆に今では、日本に帰国した時、

何の故障もなく、全てが滞りなく動いているのを見ると、感嘆してしまいます。