前回に引き続き、こちらに住んでから変わったドイツ人のイメージ。
時間厳守
正確に言うとドイツ人ではなく、ドイツ鉄道に対するイメージが変わりました。
最初は驚き、次に怒り、最近は諦めています。
学生の時に初めてドイツを旅行してからドイツが好きになり、
その後も何回かドイツに観光に来ていました。
外国で運転なんて考えはないから、
移動は当然ドイツ鉄道(Deutsche Bahn ドイチェ・バーン)を使っていました。
しかし、その時は気づきませんでした。
と言うか、その時はそこまでひどく無かったのでしょう。
ドイツ鉄道の遅延っぷりが。
世界に誇る日本の新幹線。
東海道新幹線の年間遅延時間は、自然災害も含めて1分以下(2016年24秒)。
日本の遅延の定義は1分以上。
遅れる場合はひたすら謝られ、
5分以上だと遅延証明書。
ヨーロッパ一の定時運行で知られるスイス鉄道。
3分以内の遅延は「定時」で、定時運行率は89,7%
件のドイツ鉄道。
長距離路線の定時運行率は
2019年 75,9%
ということで、確率的に4本に1本は遅れます。
6分未満の遅延は「定時」です。
10分以上遅れる場合は、電光掲示板に表示が出るか、放送がかかります。
その場合も「○○分遅れます」という告知がなされるだけで、
謝罪の言葉なぞはありません。 非常にシンプルです。
たまに何故か勝手にキャンセルされて列車が来ないこともあります。
電光掲示板を見て知り、瞬間怒り、次の瞬間から急ぎ代替案を考えます。
オンラインで切符を買った場合、ドイツ鉄道のアプリを入れていると、
乗り換えに成功するか、失敗するかが分かります。
前の電車がどんどん遅れて、段々と乗り換え時間が短くなっていき、
「ああ、もうこれ完全にダメじゃん (´Д`) =3」
ってなった時。
それまで表示されていた、「乗り換え時間○○分。ギリギリ乗り換え間に合う」
というメッセージは消えます。
そうして、乗り換えに間に合うか間に合わないかには触れない、
ただの予定時刻表が表示されるだけとなります。
臭いものは無視という態度。
ドイツに移住して間もない頃、
日本と同じようにドイツでも電車は時間通りにくるものと呑気に構えていた頃、
乗り換えが10分もあれば充分と思っていた頃、
何度も乗り換えに失敗しました。
一番酷かったのは、中東旅行から戻って、
フランクフルト空港から今住んでいる街に帰った時。
予定では4時間ほどで済む所が、家に着くまで12時間ほどかかりました。
乗り換えが2回必要だったため、
最初のICE(高速電車)が遅れたせいで、後の接続便全てを逃してしまうという悲劇に見舞われたんですね。
国境をまたぐ移動で失敗した時もありました。
南ドイツのStuttgartという街からスイスのVeveyという街に行った時。
ドイツからの電車が遅れ、見事Zurichで乗り換えに失敗。
逆に、Veveyからドイツに戻る時。
スイス鉄道が遅れてZurichへの到着が遅れ、乗り換え失敗。
この時は面倒臭いことに、次にすぐ来る高速列車がなかったため、
ドイツ鉄道のバスで戻ることになりました。
ただ、良くも悪くもドイツ鉄道は遅れ慣れしているので、
遅れた場合は、切符の一部代金を返金してくれます。
最終目的地への到着が
60分以上遅れた場合は、片道分切符の25%、
120分以上遅れた場合は、50%
申請すると返ってきます。
なんだか面倒そうだなあと思って、
最初の頃は申請していませんでしたが、
やってみると、簡単でした。
で、案外直ぐに振り込まれます。
ついでに、ドイツ鉄道の困ることを一つ付け加えると、
ホームが直前に変わること。
どんなに早くからホームで待っていても、直前に変わったら、
猛ダッシュで移動する羽目になります。
荷物を持っている時は、もう必死。
なんせ間に合わなかったら、置いて行かれます。
と、まあ、文句タラタラですが、
そんなドイツ鉄道も、ヨーロッパの中で見ると、
利用者数、定時運行率、安全性はトップクラス。
Europe’s best train systems, UK railway poor in service quality
伝説的な鉄道システムを持つ日本から来たこと、
「ドイツ人(=ドイツ鉄道)は時間厳守」というイメージがあったこと、
でショックを受けましたが、
もっとひどい国はたくさんあるので、
概ね時刻通りに動く鉄道があるだけでも感謝です。
なにより、日本より安いのはありがたい。