ドイツからこんにちは。

ドイツの日常で見たこと、聞いたこと、思ったことを気ままに

ドイツ人と学ぶフランス語

今年からフランス語を勉強することにしました。

過去何度も独学を試み、何度も諦めてきた経験から、

語学学校に通うことに。

家から近い、安い、入門講座開講、

という気軽に始めるのにうってつけの要素が揃っていたので、

Volkshochschule(フォルクスホッホシューレ、VHS)という市民学校に行くことに。

週1回、1回90分の15回コースで、84.60 EUR(1 EUR=120JPYとして約1万円)。

お得!

 

おととい、その1回目を受講。

安いから特に期待はしていなかったのですが、とっても面白かった!!!

あまりに面白かったので、私的おもしろポイントを列挙します。

 

1. 私以外全員ドイツ人。そして、年齢層高め。

女性も男性もいたけど、皆さん定年後の趣味として受講されているような感じの方ばかり。

こっちに来てから、ドイツ語を色んな国の人と勉強したことはありましたが、

その時の構成メンバーは主に、若者(主にスイスの高校生)、難民、出稼ぎ(中東、東欧など)、移民(英仏米伊露、中、韓、日など)。

年齢層高めのドイツ人だけのクラスなんて初めてで、

教室に入った時点でまず圧倒されました。

まあ、向こうからしたら、なぜアジア人が、という感じでしょうが。

 

2. 授業の進め方

私が外国語を学んだのは、

日本で英語(義務教育+大学)、独語(大学の第二言語)、

ドイツで独語(私立語学学校、VHS)。

ドイツ人がドイツ人に教える外国語、それも入門から学ぶ場に居合わせるなんて、

全く初めての体験。

 

入門講座です。

ほぼ全員ABCの読み方も知りません。

ですが、まず最初に自己紹介の仕方を学ぶ所から始まりました。

先生が仏語と独語で自己紹介した後に、いきなり教科書の音声の聞き取り。

教科書には出身地が空欄になっている自己紹介文があって、

音声だけでどこの出身地かを聞き取るという問題。

「いきなりー?!」って感じですが、

出身地一点に集中すれば、何とかいけるものです。

 

で、次は、自分たちの自己紹介。

教科書を参考に、挨拶、名前、 出身地を伝える文を作成。

隣近所の人とペアになって、

書いた物を読むだけの紹介、という所から始まります。

そのうちに、より自然な流れとして、

「で、あなたは?」「お名前は?」「どこから来たの?」「私元気」

というように、相手に聞いたり、同調したりする表現も知りたくなり、

講師に聞きます。

教えてもらって、それを使って、

よりインタラクティブに自己紹介していく、という。

 

面白い!

 

日本なら、まずアルファベットの読み方から教わると思うんです。

「アー、べー、セー」と。

なんせ、入門ですから。

でも、ここは違うんです。

何より大事なのは、「自己紹介」なんです。

「ABC」の読み方が分からなくても、模範音声を聞いて、真似すれば、

相手に自分が何者かを伝えて、相手が何者かを知ることができるんです。

楽しい!

外国語は、コミュニケーション手段として使うのだ、

という日本との意識の違いを感じて、一人感心していました。

 

3. 授業への積極的な関与っぷり

年齢的なものなのか、

趣味として真剣に学ぼうとしているからなのか、

お国柄なのか、

受講者の授業への関与が積極的。

質問もちょいちょい挟んでくる。

講師が「対話の音読をして欲しくて、5人分役があるけど、読んでくれる人?」

と聞くと、立候補ですぐに役が埋まってしまいました。

「当てられたらどうしよう。」なんて、モジモジしている暇もありませんでした。

むしろドンドン発信していかないと、まざれません。

びっくり。

 

4.日本人が苦労する発音ポイントと違う 

ラテン語、ゲルマン語、スラブ語族などを学ぶ時に、

日本人が発音で苦労するものの中で、最も古典的なものは、

R

でしょう。

当然、フランス語のRも、日本語のラ行の音とは違うので、

綺麗に発音するのは苦労します。

それが、ドイツ人には苦労なく出せてしまうんです。

講師の説明も、

「この辺りの方言で、巻き舌でRを発音する人もいるけどあれじゃないから。

喉の奥でならす、あのRね。」

で済んでしまうという。

日本だと色々言葉を尽くして説明してもらい、ひたすら練習する必要があるというのに、

こっちだと、初日から皆んな綺麗にR音を発音できてしまうんです。

羨ましい。

他にも、多分多くの日本人にとっては苦労するであろう音も、

ドイツ語に同じ、もしくは似た音があるので、

みんな難なく発音できてしまうんです。

自分で発音できるということは、その音を聞き取る耳も持っているということで。

羨ましい。

いいなあ、ドイツ人。

 

ただ、ドイツ人が発音で全く苦労しないという訳ではありません。

 

フランス語でのアルファベット読みを教わった時。

講師「ドイツ語と読み方の違うアルファベットは?」

受講者A「ほぼ全部」

(私:ぷぷ。いや、ほぼドイツ語にある音ですよ。。。)

 

こんな感じで、

ドイツ語と違うアルファベット読みとか、

リエゾンとか、語末の子音を発音しないとか、

ドイツ語と違うルールの所は、慣れなくて戸惑うみたいです。

 

語末もハッキリくっきり発音するのが基本のドイツ語。

それが、

単語の時には読まれない語末の子音が、

他の単語の前にくると、音が復活して、それもくっついた音になっちゃう、

なんて、

ドイツ人的には、発音のカオスで面喰らってしまうのでしょう。 

 

5. フランス語文法に対する反応 

初日に習った文法事項は動詞二つと、冠詞。

動詞の活用形は覚えるしかないですが、

ここでもドイツ人的にひっかかるのは、

活用しても、発音上は同じということ。

 

そもそも日本語には冠詞というものが無いので、

英語のa,theですらその概念になかなか慣れませんが、

ドイツ語の名詞には男性、女性、中性と3種類あります。

フランス語は男性と女性の2種類。

生物のオスメスのように、性別が明らかな場合は、

独語でも仏語でも名詞(冠詞)は同じ性になります。

ここまでは、OK。

問題は、性別が無い無生物の場合。

ドイツ語では男性なのに、フランス語では女性とか、

または逆、もしくはドイツ語で中性の場合のように、

独語とフランス語で性別が一致しない場合があります。

これが、大変。

この説明を受けた時のドイツ人の顔。

「何てこった。」

って顔。

 

ぷぷっ。

 

いまだにドイツ語の冠詞に苦しんでいる日本人的には、

いや、お宅、3性もありますがな。

という感じですが、

そこはさておきのドイツ人の反応。

おもしろかった。

 

 

とりあえず、1回目を受講しただけですが、とても面白かった。

そもそもドイツ語も完璧ではないくせに、

フランス語に手を出して、何をやっているのか、

という気はしますが、

フランス語自体も、フランス語を学ぶドイツ人の反応もとても面白かったので、

楽しく続けられそうです。

 

次の受講が楽しみ。