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英語に直せないドイツ語特有の表現10選

ドイツ語はゲルマン語派に属しているので、英語と類似する点が多々あります。

ただ言語上、親戚関係にあるとはいえ、全く一緒ではないので、英語に直せないドイツ語特有の表現というものがあります。

 

今日、通訳者泣かせ的なドイツ語特有の表現10選を紹介した記事を見つけて面白かったので、ご紹介します。

 

<参照元記事>

10 German Words & Phrases That Don't Translate Into English

 

1. Das Blaue vom Himmel versprechen(でまかせの約束をする)

英語に直訳すると、to promise the blue from the sky(空からの青色を約束する)、

意味の分かるように訳すと、to over-promise on something completely unrealistic.(全くもって非現実的なことを約束する)

 

天気予報で明日は太陽が出ます、って言ってたのに、曇り空になって裏切られることが多いドイツだからの表現なのでしょうか。

 

2. Kopfkino(頭の中の映像)

英語にそのまま置き換えると、Kopf(コプフ)がhead、Kino(キーノ)がmovieなので、head movie(頭の映画)。

ぼんやりしている時に頭の中に浮かんでいる映像のことを指しています。

これは何となく単語の並びから意味を想像できます。

むしろ英語にはこんな便利な表現がないのか、と英語の方に驚きました。

 

3. doch(はい・いいえ・だが、など多義語)

これ、本当によく使われるドイツ語です。

昔、同僚のドイツ人が「deutsches schönes Doch(ドイツ語の美しいドッホ)」と、このdochを誇らしく評していましたが、会話の中で頻出します。

これ使うと、なんとなくドイツ語慣れしている感じがするので、ドイツ語初心者時代、何とか使おうとしていました。

多義語なので、使い方がいくつもあるのですが、

基本の使い方は、否定疑問文で聞かれて、肯定で返答する時にこのdochを使います。

例えば英語なら、

Don't you like tea? Yes, I like tea. (お茶、好きじゃないの?いや、お茶好きだよ。)

と、肯定する時にyesを使いますが、

ドイツ語の場合、ja(英語のyes)ではなく、ここでdochが使われます。

Magst du keinen Tee? Doch, ich mag Tee. (マークストゥ ドゥ カイネン テー? ドッホ、イヒ マーク テー)

のようになります。

 

dochが好きなドイツ人、

議論中dochを連発している人をたまに見かけます。

 

あと、dochの使い方としては、強調する時にも使われます。
例えば、Komm her(英訳:Come here、和訳:こっち来て)というのを、

Komm doch her!とdochをつけると、

Come on, can you please come here right away?(和訳:今すぐにこっちに来てくれない?)

くらいの強さが添加されます。

 

4. Treppenwitz(遅すぎる思いつき、後知恵)

すごく良い冗談が思い付いた!!!後から階段で。。。

という時にできた表現なのでしょうか。

英語に直訳すると、stairacase joke(階段ジョーク)です。

 

5. Knapp daneben ist auch vorbei

英語に直訳すると、just next to it is also over(すぐ隣でも過ぎている)。

「ほんの直ぐ近くだとしても、過ぎたことには変わらない」という意味です。

「結果が全て」って和訳を当てられている方もいました。

過ぎたるは猶及ばざるが如し、みたいな感じでしょうか。

 

6. Schadenfreude(人の不幸は蜜の味)

英語にそのまま置き換えるとSchaden(シャーデン)がdamage、Freude(フロイデ)がjoyなので、damage joy。

他人の受けたdamage(被害)はjoy(喜び)だ、ってことですね。

ひゃー、怖い。

 

7. gemütlich(居心地の良い、なごやかな、穏やかな)

これもとてもよく使われるドイツ語です。

快適さ、心地よさ、アットホーム感を表現する形容詞です。

人に対しても、空間に対しても、物に対しても使われます。

 

eine gemütliche Wohnung(アインネ ゲミュートリッヘェ ヴォーヌンク。居心地の良い住まい)

ein gemütliches Treffen(アイン ゲミュートリッヘェス トレッフェン。なごやかな集まり)

gemütliche Leute(ゲミュートリッヘェ ロイテ。気立ての良い人たち)

ein gemütliches Tempo(アイン ゲミュートリッヘェス テンポ。ゆったりとしたテンポ)

といった感じで、使用範囲が広いです。

 

8. Ich verstehe nur Bahnhof(私にはさっぱり分からない)

英語に直訳すると、I only understand train station. (駅しか分からない)。

意味の分かるように訳すと、I didn't understand any of that.(私には何も分からない)だそうです。

 

なぜ駅なのか、Ich verstehe nur Bahnhof(イヒ フェアシュテーエ ヌア バーンホーフ)。

 

たまに理由なく、勝手に電車がキャンセルされることがあるからこその表現なのでしょうか。

 

9. Fernweh(異国へのあこがれ)

英語ではWanderlustと訳されることが多いそうですが、実はWanderlustもドイツ語。

ドイツ語を英語に直そうとして、なぜかドイツ語を借用するという面白さ。

語感的に、

Fernweh(フェルンヴェー)は、fern(遠い)とweh(痛い)を合わせた言葉で、遠方へ焦がれる感じがしますが、

Wanderlust(ヴァンダールスト)だと、Wander(徒歩旅行)とLust(気持ち)で、旅行したいという欲求を表している感じがします。

 

ロックダウンで遠出できない今、まさに、Fernwehです。

 

10. Sprachgegefühl(語感)

英語に置き換えると、Sprach(シュプラーッハ)がlanguagegefühl(ゲフュール)がfeelingでlanguage feeling。

言語学習の天性の才能や母国語の文法、語義を素晴らしく習得した状態に対して使います。

 

 自分の勉強にもなるので、他にもドイツ語特有の表現とか面白い言い回しがあったら、また紹介していきます。